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 第10回大会のご報告

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“4つの視点”で充実授業! ――言語活動の単元づくりのコツを伝授します
 本ワークショップでは,「俳句を読んで批評する」という言語活動を通して,具体的な授業づくりを考えました。授業づくりのポイントとして,「課題」「活動」「交流」「評価」という4つの視点を意識し,参加者の皆さんとさまざまなアイデアを出し合いながら,一つの単元を完成させることを目指しました。

ワークショップの流れを紹介します。
言語活動の充実とアクティブ・ラーニング  
言語活動の充実とアクティブ・ラーニング
 「国語の授業における言語活動の充実とは,アクティブ・ラーニングなんだと思うんですよ。」と切りだす冨山先生。次期学習指導要領の動向を押さえながら,今後は,これまでの言語活動が,アクティブ・ラーニング(「主体的・対話的で深い学び」)になっているかどうかをチェックしていく必要がある,と話してくださいました。
 冨山先生のテーマでもある,「楽しくて力のつく国語の授業」。そんな授業を目指して,今回のワークショップに取り組みます。

子どもが「うん,やってみよう!」と思う課題とは?  
子どもが「やってみよう!」と思う課題とは?
 ここからは,実際に参加者の皆さんと単元をつくっていきます。
 はじめに,「俳句の可能性」(光村図書3年)を読んで,俳句を分析する観点を探しました。ここで整理された観点をもとに,「俳句を味わう」(光村図書3年)の教材に入ります。
 しかし,ただ「分析的に読んでみよう。」と言っても,中学生にとってはきっとおもしろくありません。では,どのような課題にすれば,子どもたちが「やってみよう!」と思うのでしょう? そして,その活動を行うことが,実は「分析的に読む」ことにつながるためには? この課題づくりが,生徒の主体的な学習を引き出すために肝心であり,今回のワークショップの山場でもあるのです。
 真剣に考える参加者の皆さん。
 ここで,図工や美術の「アートカード」の実践をヒントにした,「俳句をペアにする」という課題を冨山先生が紹介してくださいました。目につきやすい部分だけでなく,俳句の内容に踏み込んでペアを作るためには,分析的に読む観点が欠かせません。
グループに分かれて単元づくり  
グループに分かれて単元づくり
 続いて,いよいよグループに分かれて課題を練っていきます。参加者の皆さんは積極的に話し合い,冨山先生への質問も飛び交いました。
 課題ができあがってきたら,その課題に対する学習活動の手順と交流のさせ方,評価の基準についても考えます。「設定した課題について,先生ご自身がまずは一度活動をしてみてください。」と言う冨山先生。そうすることで,子どもたちが難しいと感じるところや,つまずいたときに示してあげたいヒントが見えてきます。
 熱心な話し合いが続く様子に,教室を巡回しながら,冨山先生の期待も膨らんでいきます。
課題と交流の一工夫  
課題と交流の一工夫
 グループワークの中で,冨山先生から二つのヒントがありました。
 一つは課題について。たとえば,「俳句大賞を決めよう」という課題があります。冨山先生はここに一工夫し,「俳句大賞を決めて,選評を書こう」と付け加えました。こうすることで,生徒に何を考えてほしいのか,どのような力をつけようとしたのかといった,ゴールや評価のイメージがより明確になります。
 もう一つは交流について。「交流」といっても,さまざまな方法があります。誰と,どのように,どのような交流を,何のためにするのか。学級内の交流だけでなく,家族に意見を求めることも交流です。また,話し合い,音声に頼らず,お互いが書いたものを読み合うというのも交流です。
 冨山先生のヒントに,参加者の皆さんも大きく頷きます。

充実授業を目指して  
充実授業を目指して
 あっという間に終了の時間も迫り,最後に,いくつかのグループによる単元の発表がありました。
 「その場所に飾りたい二句を選び,選評を書こう」「最も魅力を感じる俳句ベスト1を選び,プレゼンしよう」「ミシュラン俳句ガイドを作成して,俳句の魅力を伝えよう」など,さまざまなアイデアが出ました。どのグループも冨山先生のアドバイスをもとに,ただ分析的に読むのではなく,楽しみながら取り組めるよう工夫が凝らされていました。
 2時間のワークショップでしたが,終始笑顔の冨山先生と,参加者の皆さんの満足した表情が印象的でした。
【講師の先生のひとこと】
冨山哲也先生  
冨山哲也先生
 初めて担当したワークショップでしたが,参加された先生方が実に熱心で,魅力的な授業案が数多く作成されました。「楽しくて力のつく国語の授業」というのが私のテーマですが,言語活動を中心にした,「課題」「活動」「交流」「評価」の組み合わせが,中学生のもつ国語の授業像を一変させることを改めて感じました。