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 第10回大会のご報告

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これからの定期テストの話をしよう―子どものいきいきとした学びのために
 授業後の「評価」や「評定」は,どうすればいいのでしょうか。その取り組み状況や問題点を共有しつつ,「テスト」というものの捉え方,役割,テスト前の対策,問題作りなど,事例をもとに具体的に考えてみることが,本ワークショップのねらいです。
 授業を構想する段階から見直し,「判定」のみに留まらず,「力を伸ばす」ための「テスト」の在り方について学びました。

ワークショップの流れを紹介します。
テストについて語ろう  
テストについて語ろう
 「テストについて何を問題に感じていますか?」という甲斐先生の問いかけから,ワークショップが始まりました。一口に,「テストに関する問題点」といっても,色々な切り口があります。今行っているテストに関して,どのような問題があるか,課題は何かを考え,問いを立てることが今回のワークショップのねらいです。
 まず,テストについて困っていること,問題に感じていることをグループで話し合いました。参加した先生方は,テストに関してさまざまな課題をおもちで,それぞれのグループで活発な意見交流が行われました。
テストについて語ることは,授業を語ること  
テストについて語ることは,授業を語ること
 「テストについて語ることは,授業を語ることになる。授業で何を教えるのかを明確にもっていない限り,テストで問うことはできない。」と甲斐先生。「テスト」に関わる問題は,授業を構想するところから見直す必要があります。生徒の「やってみたい!」という学習意欲を高めるためにも,単元が始まるときに生徒がやりたくなるしかけを作っておくことも大切です。
 甲斐先生の場合,単元の学習前に「国語教室通信」という手作りのプリントを配布しています。この通信には,筆者の他の作品の紹介,漢字や類義語などのコーナーがあり,生徒たちの言葉の世界が広がるような工夫と,「単元への期待の種」をまくためのしかけが施されています。
人物像を捉える授業  
人物像を捉える授業
 「アイスプラネット」(光村図書・2年)という教材での人物像を捉える授業と,そのテストの実践についてお話しくださいました。甲斐先生は,登場人物を,ただ単に「優しい人」,「活動的な人」と捉えるのではなく,その人のものの見方・考え方,価値観にまで踏み込んで人物像を捉える授業を組み立てたそうです。一番苦労したのは,生徒に「価値観にまで踏み込むとはどういうことなのか」を理解させることでした。身近な人物を例に挙げて,どのような考え方をしている人かを問うことで,生徒もすんなり人物の物の見方や考え方に思いを理解できたそうです。
 ここで人物像を捉える土台を作っておくことで,これから学習する単元でも,登場人物を生きている人間と捉えて,その人物の魅力を語ることができるようになる,といいます。
ワーク「人物像を問う問題を考える」  
ワーク「人物像を問う問題を考える」
 甲斐先生の実践報告を受けて,「人物像を問う問題を考える」という課題に取り組みました。ある登場人物の台詞,言動,描写で価値観がわかるような問題を作成する活動です。@長くなりすぎないこと,A台詞が入っていること,B価値観がわかる言動が入っていることの3つを条件に,参加者一人一人が人物像を問う問題を作成しました。休憩時間も忘れて,問題作成に取り組む参加者の姿も見られました。
 その後,グループ内で発表し合い,感想や意見を交流しました。それぞれのグループからは感嘆の声があがったり,拍手が起こったりと,参加者どうしの学び合いが多く見られました。
今後,ますます重視されるであろう「評価」。最初の藤森先生の呼びかけどおり,その在り方をじっくり考えられた2時間でした。
まとめ  
まとめ
 発表の後には,質疑応答の時間が設けられました。参加者の先生方からは「人物像を問う問題」について,作成の手順や採点の規準など質問が相次ぎ,甲斐先生がお答えになる度に,熱心にメモを取っていらっしゃいました。
 最後に,甲斐先生から「自分が作っていて楽しいと思える問題作りに,ひとつでも挑戦してほしい」というお話がありました。参加者それぞれが,今後取り組むべき問いを立てることができた,充実したワークショップとなりました。
【講師の先生のひとこと】
甲斐利恵子先生  
甲斐利恵子先生
 今回は,テストの時間そのものをどう考えているかという問いに向き合えたことが一番の成果でした。
 テストの時間も「授業」のように,力をつける延長上にあると考えています。
 「どんな力をつけようとしていたか」から出発する。そのことを皆さんと共有できた貴重な時間でした。