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 第10回大会のご報告

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アクティブ・ラーニングと国語の授業・入門編―― 初任の先生も経験豊かな先生も,知ろう!語ろう!考えよう!
 「アクティブ・ラーニングの視点を踏まえた国語の授業」を基礎から学べる入門講座。そもそも国語ってどんなことを教えればいいの? ということを出発点に,子どもが取り組みたくなる課題解決的な学習の組み立て方や,協働が生まれるグループ学習の進め方などについて,体験しながら学び合いました。

講座の流れを紹介します。
対話的な学びのためのアイスブレイク  
対話的な学びのためのアイスブレイク
 アクティブ・ラーニングについて学んでいくのに先立ち,初めに,参加者どうしで心を開いてコミュニケーションを交わせるようなアイスブレイクを行います。2人一組で,「今,夢中になっていること」を話題にして,互いに1分間ずつインタビューをし,別のペアに相手のことを紹介しました。
 アイスブレイクで大事なのは,ポジティブな話題で互いを理解し合おうとすることだと邑上先生は言います。紹介を終えると,自然と拍手が起きて温かい空気が流れるから不思議です。午前のシンポジウムでも話題になったように,子どもたちは,これからいろいろな背景をもつ人と関わりながら自分自身を高めていかなければなりません。アイスブレイクは,人とつながっていくきっかけにもなりますし,仲良しの友達との間でも,相手の知らなかった面に気づくことができます。そのような関係づくりの活動がベースにあることで,対話的な学びが促進され,学びが深まっていくということが強調されました。

授業の基本とアクティブ・ラーニング  
授業の基本とアクティブ・ラーニング
 授業の基本は,教師自身が単元を作っていくという発想だと邑上先生は言います。教科書に載っているからその教材・単元を扱う,というのではなく,子どもたちの生活や学びの実態の中から,単元を計画していくことが大切です。教師こそがアクティブになって,他教科等の学習や学校生活と関連させながら,子どもにどんな力をどんな活動を通してつけていくかを,教科書を参考にしながら考え出していくのです。
 「アクティブ・ラーニング」という言葉に囚われるのではなく,子どもの学びの姿や活動が見えるような言葉で,「主体的・対話的で深い学び」を捉えていく必要があります。邑上先生は次のように整理しました。
【主体的な学び】
 やってよかったという実感や,まだよく分からないという状態を含めて,子どもが自分の学びを自覚できるようにすることが大事。子どもの頭の中が活動的になり,言葉があふれているような状態にしたい。
【対話的な学び】
 子どもが互いに関わり合うことを通して,知見や考えが広がり深まっていくことが大事。そのときに注意したいのが,子ども自身がその交流の価値や必要性を納得できているかどうかである。
【深い学び】
 「言葉による見方・考え方」を働かせて言葉に着目し,言葉に表れているものから,そこに表れていない事柄に想像を広げていくことが大事。
体験で学ぶアクティブ・ラーニング





体験で学ぶアクティブ・ラーニング
体験で学ぶアクティブ・ラーニング
 安田先生による模擬授業が始まりました。「『皆さん,教科書ページを開けて〜』という入り方は,絶対にしてはいけませんよ」など,授業づくりのポイントが随所に示されます。参加者は,子どもの立場になって,国語科のアクティブ・ラーニングがどういうものかを体験的に学んでいきました。
 この日のめあては,「グループの紹介新聞を作ろう」。たまたま同じグループになった4人で話し合い,互いの共通点やグループとしての特徴を明らかにします。そうして,分担して記事を書き,割り付けをして新聞の形式にまとめました。ここまでの作業時間はなんと35分。短い時間にもかかわらず,初めに行ったアイスブレイクが効果的に働き,参加者は集中して作業を進めつつも,笑いと対話の絶えない時間が続きました。
 出来上がった作品を見ると,短時間でできたものとは思えない楽しい力作ぞろい。画用紙からはみ出した記事があるなど,それぞれ個性あふれる作品に対して,一つ一つ安田先生の価値づけがなされます。参加者自身が真剣に取り組んだものだからこそ,作品の交流によってまた新たな気づきがあったに違いありません。

まとめ  
まとめ
 この日は,参加者が教師だったからわずかな指示でできましたが,子どもに活動させるとしたら,さまざまな指示・指導・助言が必要になってきます。そのときにも,安田先生は,ある程度の子どもの自由を認めてあげてほしい,と言います。その自由の中でこそ,子どもたちはのびのびと表現をし,主体的・対話的に学びを進めていくのです。
 アクティブ・ラーニングに関わって,安田先生から初めに示された
 「やってみたい,作ってみたいという魅力的な課題」
 「こうしたらうまくいきそう,こうやったからできたという課題解決過程の可視化」
などの授業づくりの6つのポイント。これらを大いにヒントにしていただき,参加者それぞれが目の前の子どもをイメージしながら,明日からの授業を能動的に作っていくことが大事なのかもしれません。

【講師の先生のひとこと】
邑上裕子先生  
邑上裕子先生
 前半は,「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した授業改善のために,まず言葉を使って心を開くアイスブレイク(自己紹介)を体験していただきました。次に,人と関わる大切さを「アクティブ・ラーニング」の視点から考えていただきました。
安田恭子先生  
安田恭子先生
 後半は,邑上先生のアイスブレイクを受け,模擬授業の形でグループワークをしました。短時間でA3の新聞を完成。子ども達の気持ちが理解でき,楽しく充実していたとの声が多かったようです。更に,読みでの手立てや個人差への対応法が疑問として出されました。