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 第9回大会のご報告

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考えながら聞く力を育てる〈聞き上手になろう〉
 これまでの音声言語の指導では,「聞く」ことよりも「話す」ことに重点が置かれてきたのではないでしょうか。昨今,国語科に「協働的な課題解決の力」の育成が要請されています。そこで求められる対話や話し合いにおける「聞く力」について考えました。

ワークショップの流れを紹介します。
これから求められる「聞く力」とは  
これから求められる「聞く力」とは
 従来,「聞く力」は,話し手が話したことを正確に聞き取る力,とみなされることが多かったのではないでしょうか。こうした現状に対し,宗我部先生は,これからは,創造的な話し合いのための「アクティブ・リスニング(積極的傾聴)」が重要ではないかと問題提起をされました。
 話し合いを活性化させる「聞く力」とは何か,話し合い学習の豊富なご実践をお持ちであろうご参加の先生方も,興味深いご様子でした。
「聞き上手」になるために  
「聞き上手」になるために
 まずは,聞き方の大切さを実感するために,対話のワークを行いました。
 二人一組で対話を行います。聞き手は,1回目には話し手に対して無関心な態度で聞き,2回目には相槌や質問など積極的に反応しながら聞きます。その後,振り返りを行うなかで,「聞き上手」のポイントを挙げていきます。
 こうした「聞き上手」の学習は,1年生の初め,あるいは,各学年の初めに行うと,以降の授業に生きてくるというアドバイスがありました。
答えの見えない課題に対して  
答えの見えない課題に対して
 そのほかにも,いくつかのワークの紹介を通して,質問の方法など,聞く技術についてお話しくださいました。
 そして,話題は課題解決的な話し合いに移ります。答えの決まった話し合いでは,正確に聞き,正確に話せば結論にたどりつきます。しかし,まさに答えが見えない問題を考えていくとき,私たちは,どんな対話,話し合いをすればよいのでしょう。
 一つのワークを通して考えました。
ワーク「考えよう! 社会や地球の問題」@  
ワーク「考えよう! 社会や地球の問題」①
 今回は,ワーク「考えよう! 社会や地球の問題」に取り組みました。成田喜一郎氏のESD(持続可能な開発のための教育)をもとにしています。このワークでは,持続可能な社会のために取り組むべき課題について考えます。
「災害」「環境」「平和」「資源エネルギー」「差別・偏見」などの諸問題をカード化しておきます。
これらのカードを,「問題の優先度・緊急性の高・低」「自分との関係性の近さ・遠さ」を示した座標軸上に配置していきます。
配置は,四人一組で行い,どの問題がどの位置づけとなるのか,根拠―理由―主張を明確にしていきます。
ワーク「社会や地球の問題を話し合う」A  
ワーク「社会や地球の問題を話し合う」②
 ご参加の先生方も,カードを手に,座標軸を見つめながら,活発に話し合われていました。
 グループの話し合いの後には,発表が設定されています。宗我部先生からは,発表は単元の終わりでなく途中に置くこと,という注意がありました。単元の途中に置くことによって,それぞれの発表に対する具体的な議論や振り返りの機会が生まれるといいます。
 また,今回用いた座標軸のほか,フリップなど,考えを「可視化」することも重要であるというアドバイスがありました。

協働的な話し合いのために  
協働的な話し合いのために
 協働的な話し合いという,これからの社会の中で必要とされる活動の中で,「聞く力」の担う部分の大きさを,改めて実感させられたワークショップでした。授業の中で生きる数々の留意点やヒントも豊富にちりばめられ,ご参加の先生方からも,ぜひ明日の授業から生かしたい,という声が聞こえてきました。