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 第9回大会のご報告

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今さら人には聞けない国語の授業入門・小学校
 この講座では,「読むこと」の授業づくりにおけるポイントについて学びます。授業の構想から導入・展開・まとめにいたるまでの段階を,楽しく学ぶことのできるさまざまな手立てと共に紹介いただきました。

講座の流れを紹介します。
国語学習を進めるうえで大切なこと  
国語学習を進めるうえで大切なこと
 「教えたことは子どもの身につかない。学び取ったことしか子どもの力にならない。」力強い声が教室に響きます。先生がモットーとされている言葉の紹介から講座が始まりました。
 「これわかった!」「これできたよ。」と子どもたちが自ら進んで学び合える国語学習をつくるうえで,大切にしたいことをお話しいただきました。
① 子どもをよく見ること
 年度初めの4月に子どもたちの実態を把握することはみな行っていますが,4月の子どもと9月の子どもは違うわけで,新しい教材に入るたびに,その都度子どもの実態をつかむことが大事になってきます。特に新任の先生方は,どの教材も同じような比重をかけて同じように教えてしまうということをしてしまいがちですが,目の前にいる子どもたちに今必要な力は何かをしっかり見極め,教材によって教えるべきこと,教えなくてもよいことを考えていかなければなりません。

② 教師自身が授業を楽しむこと
 いやいや教えても,絶対にうまくいきません。たとえ,おもしろいふりはできても,教師自身が心底楽しんでいないと子どもたちに見抜かれてしまいますし,いい授業にはなっていきません。

子どもたちのわくわく度が上がる授業づくりのポイントとは





 
子どもたちのわくわく度が上がる授業づくりのポイントとは
 例えば,「スイミー」(小学2年)の学習に入るときに,「教科書○○ページを開いて。……」と入るのと,挿絵(スイミー)を黒板に貼り,「これは何だか知ってる?」と発問して,「知ってる。絵本で読んだことがあるよ。」などと,子どもの発言を一つ一つ聞いてあげたうえで入るのとでは,「どちらが子どもたちのわくわく度が上がりますか。」と問いかける安田先生。
 ここからは教科書の教材を例に,子どもたちのわくわく度が上がる授業づくりについて学んでいきます。
① 文学的な文章  「ごんぎつね」(小学校4年)を例に
 「文学的な文章でいちばん育てたい力はなんですか?」参加者の先生方に発表してもらいました。
 「登場人物の心情を読み取る力」「お話の世界にひたる力」「気持ちを読み取って自分なりの考えをもつ力」など,さまざまな力が出てきました。
 さて,安田先生はどんな力を大切に授業されてきたのでしょうか。それは,「イメージする力,想像する力」でした。
子どもたちの想像する力の手助けをするのが挿絵。「ごんぎつね」を例に,効果的な挿絵の使い方を学びました。教材本文の叙述と挿絵と子どもたちの思い描く力,この三つをいかに上手に結び付けてあげるかが文学的な文章における授業づくりのポイントになります。

子どもたちのわくわく度が上がる授業づくりのポイントとは   ② 説明的な文章  「ありの行列」(小学校3年)を例に
 「説明的な文章は説明されている中身が大事なのではなく,論がどのように展開しているか,説明するにあたって筆者がどのような語句を上手に使っているかが大事。」とお話しされる安田先生。ここでは,配布された「あり行列」の本文を使いながら,説明的な文章における授業づくりのポイントを学びました。
 模擬授業風に先生方に問いかけながら話が進みます。講座後に,「安田学級の子どもになった気持ちでわくわくしながら楽しい時間を過ごすことができた。」という感想があちらこちらから……,安田先生の問いかけに目をキラキラさせながら答えを探されていた参加者の姿が印象的でした。

どんなことで悩んでいますか?  
どんなことで悩んでいますか?
 最後に……。先生方が実際に悩んでいることに対して,安田先生が答えていくプチお悩み相談会が開かれました。教員を目ざしている大学生からベテランの先生まで,今いちばん悩んでいること・困っていることを発表しました。「子どもが自分で課題を見つけられる授業をつくりたいが,どんな工夫があるか知りたい。」「教材研究のしかたがわからない。」「子どもの発言の受け止め方について悩んでいる。」「子どもたちの発言を全て受け止めて板書してしまっている。上手な板書の方法を教えてほしい。」など,たくさんある悩みの中から,特に悩んでいることを挙げていただきました。全員が発表することで,自分以外の先生がどんなことに悩んでいるのか,悩みの情報を共有することができました。
 悩みの中から幾つか「こういう工夫があるのよ。」「こんな方法も有効ですよ。」と優しいアドバイスが先生方へ贈られました。

【講師の先生のひとこと】
安田恭子先生  
安田恭子先生
 再開した本講座には,比較的若い先生方に加えて採用試験合格の学生の皆さんの参加もあった。
 「読むこと」で主に「ごんぎつね」「ありの行列」を取り上げ,教材と子どもたちとの橋渡しとしての教師の役割を中心に話を進めた。叙述を手がかりに,いかに子どもたちの想像力を高めるか,論の展開をどのように学ばせるか,さらに子どもの考えを共感的に受け止める大切さが話題になった。