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 第8回大会のご報告

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国語学習の動機をめぐって
 「『なぜ』から始まる国語の授業」というテーマに対しては,子どもの側の「学習動機」から考えてみるということも重要だと考えられます。第8回大会のまとめにあたって,「学習動機」をキーワードに振り返ってみたいと思います。
三つの「学習動機」  
三つの「学習動機」
 約80年前に,国語教育学者の石山脩平は,国語の学習動機には以下の三つがあるということを指摘しています。
  1. 「観念的動機(話題・題材のおもしろさに支えられた動機)」
    例えば,工藤直子さんの詩をおもしろいと感じて,自分も詩を書いてみたい,など。
  2. 「形式的動機(言葉の形式に関わる向上心に支えられた動機)」
    例えば,誰よりも漢字をたくさん覚えておきたい,など。
  3. 「実践的動機(活動の目的に支えられた動機)」
    例えば,手紙を書いて人に自分の思いを届けたい,など。
 このことは,現在でも教育心理学の分野で同様の指摘がされています。「なぜ,国語の学習をするのか」という問いへの,暫定的な解答として,今日にも通じる考え方といえるでしょう。
本日のワークショップと「学習動機」  
本日のワークショップと「学習動機」
 本日開催されたワークショップも,三つの学習動機に深く関連するものと考えられます。
 内容がおもしろいからやってみようとする「観念的動機」は,ワークショップ2・4・9のように,テキストを読むという活動と密接に関係します。
 また,ワークショップ5・7のように,語彙を取り上げた学習は,「形式的動機」に最も関係する活動といえるでしょう。
 そして,ワークショップ1・3・6・8は,それぞれの活動が,どのように自分たちの生活や学習にとって意味をもつのか,という「実践的動機」に突き動かされたものといってよいと思われます。
 ただし,これらの三つの動機は,それぞれ別々のものではなく,密接に関連するということを押さえておくべきでしょう。
まとめ  
まとめ
 以上の三つの学習動機では説明しきれないものとして,「関係的動機」ともいえるものがあります。それは例えば,自分が書いたものに刺激を受けた友達が別の文章を書く,そしてそれを読んで互いに学び合う,など,知恵を交換して喜び合う共同体に参加することに関わる動機です。
 その意味で,本日お集まりの先生方は,それぞれの学習動機に突き動かされて参加し,それぞれの喜びを分かち合い,お互いにこの場にいてよかったと思えるような時間を共有できたのではないでしょうか。そのような時間をもてたことに感謝しつつ,「『なぜ』から始まる国語の授業」を,「また来年」という言葉で閉じたいと思います。本日は,どうもありがとうございました。