line decor

 第7回大会のご報告

line decor

タブレット端末で国語デジタル教科書活用を体験しよう
 近年,学校現場にデジタルテレビや電子黒板の普及が進むと同時に,児童・生徒が手にするタブレット端末の導入が始まっています。これらの端末で使用する学習者デジタル教科書は,どのような学習効果をもたらすのでしょうか。本ワークショップでは,参加者一人一人が実際にタブレット端末を操作しながら,学習者用国語デジタル教科書の活用方法を検討します。

ワークショップの流れを紹介します。
導入が始まった学習者用デジタル教科書  
導入が始まった学習者用デジタル教科書
 現在,学習者用デジタル教科書は,一部の地域や学校でのみ導入されています。冒頭に,学習者用デジタル教科書の導入校の実態に詳しい中川先生から,導入校の様子や,学習者用デジタル教科書を使ってできることの説明がありました。
 このデジタル教科書を使えば,児童が手元の端末で操作した内容を,自席から教室前方に配信することができます。簡単に,児童一人一人の考えを教室全体で共有することができるのです。
 当日も会場後方の端末から,学習者用デジタル教科書の基本機能である「拡大」「書き込み」「移動」を使った操作を,配信・拡大投影しながら説明することで,参加者は導入校の教室の雰囲気を体験することができました。
デジタル教科書を使えば,こんなことができる  
デジタル教科書を使えば,こんなことができる
 では,学習者用デジタル教科書を使えば,どのような授業ができるのでしょう。
 文学教材を例に,講師の石川先生から学習者用デジタル教科書を使った指導例が紹介されました。
 デジタル教科書を使えば,教科書紙面に簡単に書き込みを行うことができます。登場人物の行動や発言にマーカーを引きながら読んでいくことで,登場人物の気持ちの変化を確実に押さえながら読むことができます。また,その画面を配信し,拡大投影することで,教室全体で共有することができます。画面を切り替えることが簡単もできるので,複数の児童の考えを比較して,理解を深めることができます。
 次に,収録されている「ワーク」の活用方法について紹介がありました。この学習者用デジタル教科書には,読書記録をつけるコンテンツが用意されており,児童が読書経験を継続的に記録し,振り返ることができるようになっています。また,おすすめの図書を紹介するときに用いる簡単な発表用資料を作ることもできます。
学習者用デジタル教科書の活用方法を考えよう  
学習者用デジタル教科書の活用方法を考えよう
 参加者に学習者用デジタル教科書の活用方法を検討してもらいます。グループごとに指定された説明文教材について,端末を操作しながら,どのような授業が考えられるかを話し合います。
 初めのうちは,機能を中心に一つ一つ確かめていた参加者も,検討が進むうちに「導入時,ここを予め隠しておけば,中心となる語句をめぐって話し合うことができる」,「これを使えば,あの子がいつでも音読の練習ができる」のように,教室の風景や,児童の顔を思い出しながら検討を進めていたのが印象的です。
私たちならこう使う学習者用デジタル教科書  
私たちならこう使う学習者用デジタル教科書
 ここからは発表の時間です。手元の端末から画面情報を配信し,教室前方のスクリーンに投影して,活用方法の提案を行ってもらいました。
 「すがたを変える大豆」について検討したグループからは,児童が食べ物の工夫を紹介する学習活動を見据えた活用方法の提案がありました。
 まず,画面上に自由に配置・入力できる付箋を使って,筆者の説明の工夫をまとめながら教材文を読み進めます。その後,「マップ」機能を使って,整理します。こうすることで,自分が紹介する文章を書くときに,本文の説明の工夫をすぐに思い出すことができますし,自分の書きたい内容を簡単に整理することができるのです。
 他のグループからは,文章と挿絵を切り離して読む,文中に出てくる数値に着目させ,表やグラフの効果を話し合うなど,色々な提案が活発になされました。
これからの学習者用デジタル教科書  
これからの学習者用デジタル教科書
 ワークショップのまとめとして,講師のお二人からタブレット型端末や学習者用デジタル教科書の今後について説明がされました。
 参加者が体験したように,学習者用デジタル教科書を使えば,既習内容を簡単に振り返ることができます。また,収録資料を利用して理解を深めることもできます。そんなデジタル教科書は,今後端末の普及にあわせて,ますます広がりを見せるでしょう。一つの端末に複数教科のデジタル教科書を使うことができれば,教科をまたいだ横断的な学習が可能になります。教科書会社数社が連携し,基本操作方法を統一することで,より使いやすいデジタル教科書を制作しようとする動きがあることも紹介されました。
 結びの「今後もタブレット端末やデジタル教科書の使い方を一緒に考えていきましょう」という中川先生の呼びかけに,参加者全員から大きな拍手がおくられました。
【講師の先生のひとこと】
中川一史先生  
中川一史先生
 タブレットを児童・生徒一人一人が持つ,あるいはグループで1台稼働する。その中でどのように授業を進めていくのか,一見,敷居が高く感じますが,実際に体験しながらワークショップ形式でやっていただいた結果,すばらしい活用アイデアがたくさん生まれました。やはり基本は授業研究。そういうことをあらためて感じさせられたワークショップになりました。
石川等先生  
石川等先生
 参加者のタブレット端末の使用経験はさまざまでしたが,授業での活用ということで,熱心な議論が展開されました。プロジェクタで拡大投影しながらの発表は,授業場面でのICT活用のさらなる可能性を感じさせていただけました。学習者用デジタル教科書に求める機能へのご意見もたくさん出されました。