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 第7回大会のご報告

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言語感覚を磨く「詩」の指導
 学習指導要領の国語科の目標に,思考力や想像力,言語感覚を養うことが謳われています。言語感覚を養う場面はさまざまありますが,今回のワークショップでは,その中から特に,「詩」を取り上げました。そして,活動を通して「詩」のよさを体験し合い,自分の内なる声に耳を傾けました。

ワークショップの流れを紹介します。
詩を楽しむために  
詩を楽しむために
 普段,どのように詩の指導をしているでしょうか。詩の授業となると,つい理屈っぽくなりがち――。そんな悩みをもたれている方も多いでしょう。子どもたちが,「詩が好き。」「言葉って楽しい。」という思いをもつようになるためには,詩や言葉を「楽しむ」という体験が必要です。そこで,講師の先生から,「アンソロジーを作る」「題名を考えながら詩を味わう」といった,詩に親しむ活動の実践報告をいただき,子どもの興味・関心を引き出す指導のあり方について考えました。
「アジアン アイ」の世界を味わおう  
「アジアン アイ」の世界を味わおう
 実践報告の中で特に時間を割いてご紹介いただいたのは,写真集「アジアン アイ」(森田徳忠 撮影)を用いた活動です。これは,写真の世界観に合う詩を選び,鑑賞文を添えて,一つの作品として仕上げるというものです。実際に小学生が作った作品も,多数見せていただきました。子どもたちの着眼点や自由な発想に参会の方々が引き込まれる中,講師の先生方から,このワークショップで,同じように「アジアン アイ」を使って作品を作ることが告げられました。
写真と詩を選ぼう  
写真と詩を選ぼう
 いよいよワーク開始です。「詩に合う写真を選ぶよりも,写真に合う詩を選ぶほうが行いやすい」という黒田先生の助言を踏まえ,まず,写真選びから始めました。悩みながらも写真を決めたら,次は,詩の選定です。講師の先生方が用意した60冊ほどの詩集から,詩を1編選びます。参会の方からは,「普段は詩集を読まないけれど,何か軸があると,詩を読もうという気持ちになる。」という声が聞かれました。
材料をそろえて,作品を作ろう  
材料をそろえて,作品を作ろう
 今回の作品は,写真と詩,鑑賞文を,台紙となる色画用紙に組み合わせます。詩と鑑賞文は,決められたサイズの紙に書き,写真と合わせて色画用紙に貼るという手順です。
 詩や鑑賞文を書く紙の大きさをあらかじめ決めておくと,完成のイメージがもてると同時に,特に鑑賞文では文字量の制限になり,ただ長く書いてしまうのを防ぐことができるそうです。講師の先生から,今後実践する際のヒントもいただきながら,作業は進んでいきます。参会の先生方も,限られたスペースの中で自分の感じた世界を言語化し,作品として仕上げていきました。
豊かに広がる詩の世界  
豊かに広がる詩の世界
 1時間ほどのワークで,ほとんどの方が作品を完成させることができました。そこで,何名かではなく,全員に発表してもらうことに変更しました。
 「写真をどう見たか」「どうしてその詩を選んだか」を,作品を提示しながら発表してもらいます。同じ写真を選んでも,写真の解釈が異なっていて,会場にどよめきや笑いが起きたり,選ばれた写真や詩への解釈に,「そうとらえるのか。」とざわついたりと,楽しい発表の時間でした。
 みんなが,思いを言葉にするという体験をし,主役になったワークショップでした。
【講師の先生のひとこと】
松木正子先生  
松木正子先生
 今大会では,工藤直子さんの「詩」の特別講座が設定されたので,「詩」を違った角度から扱う指導を提案したいと考えました。「アジアン アイ」という素敵な写真集から触発され「読む」すばらしい作品ができました。一人ひとりの先生がスターであり,輝いていらっしゃいました。そこでは,自分の心の声と向き合い,ことばとして表出する楽しさが表情に出ていたように感じられました。素敵な時間を共有させていただきました。ありがとうございます。
黒田英津子先生  
黒田英津子先生
 写真に詩をつけたり,鑑賞文を書いたりと,時間的に厳しかったかと思いますが,それぞれ味わい深い作品ができ,レベルの高さを感じました。実際に作ってみることで,どこにつまずきが生じるのか,どのような手立てをとればいいかが明確になります。ぜひ,実際にクラスの子どもたちに作らせてあげてください。ありがとうございました。