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 第7回大会のご報告

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今さら人には聞けない国語の授業入門・小学校編
 この講座は,受講する先生方が日々の授業の悩みを出し合い,学級経営と授業づくりの両面から,安田先生が具体的に答えていく形で始まりました。後半は,まど・みちおさんの詩「はしる しるしる」(光村図書・3年)を例に,発達段階に応じた「読むこと」の授業の組み立て方について演習形式で学び合いました。

講座の流れを紹介します。
日々の授業の悩みに答えます  
日々の授業の悩みに答えます
 「この教材で何を教えればいいか,教材研究をどうするかで困っている。」「1年生なのに,あまり音読が楽しそうではない。」「高学年の子たちは発言や音読をしたがらない。」「子ども達の発言をどうコーディネートすればよいか。」「配当時数が少ない単元で,焦点化して指導する方法を知りたい。」など,参加者からはさまざまな悩みが寄せられました。
 このような日々の悩みを,参加者どうしで共有することから,安田先生の講座は始まります。そして,それらに答えながら,この後の講座が続きます。
国語の授業の基本は,やっぱり“学級経営”  
国語の授業の基本は,やっぱり“学級経営”
 朝,登校してきた子どもたちを必ず教室で待って,「おはよう」と声をかけていますか,と,安田先生は参加者に問いかけます。
 30人の学級であれば,どうしても一人一人のことを1/30と思ってしまいがちですが,子どもたちにとっては,たった一人の先生です。「どんなに忙しくても,その子と一対一で面と向かって声を交わすのは,もしかしたら,その日のその時間だけかもしれない,と思って,時間を作りたい。」――という安田先生の言葉に参加者は深くうなずきます。
 一人一人が違っているからこそ,一緒に学ぶことでそれぞれのいいところを出し合うということ。そして学級経営を通じてそのことを徹底していくこと。また,教材研究の一番の基本である,児童の実態をしっかりつかむということ。これらが,国語の授業にとってたいへん重要になってくるということを参加者全員で再確認しました。
教材本文を見る前に 画面をクリックすると別ウィンドウがひらきます。  
教材本文を見る前に
 教材研究にあたっては,教材本文を見る前に大事なことがあると,安田先生は言います。それは,6年間の単元の一覧を見わたして,当該単元の位置付けをしっかりと把握すること(左の表は,光村図書の「読むこと教材一覧」)。6年間の流れを見ておくことで,前の学年と同じことを重複して指導してしまうということがなくなりますし,授業時数が少なくなる高学年での効率的な指導にもつながるのです。
同じ教材でも扱い方はさまざま  
同じ教材でも扱い方はさまざま
 いよいよ,実際の教材「はしる しるしる」をもとに,演習形式で教材研究の方法を学びます。参加者の先生方を三つに分け,それぞれ,低学年/中学年/高学年に授業するとしたら,どんな学習が考えられるかを出し合いました。
 それぞれのアイデアに対して,安田先生のコメントがつき,よりいっそう魅力的な単元づくりのヒントが示されました。同じ教材であっても,自分のクラスの子どもたちをイメージして,どのような活動でいかに学ばせるかを考えるのが教材研究なのです。
文学の教材研究と説明文の教材研究  
文学の教材研究と説明文の教材研究
 話題は,文学と説明文それぞれの教材研究の特徴に移ります。
 文学では,目の前の子どもたちに,その作品から何を最終的に読み取らせたいのかを考え,そのときに落とせない叙述を見極めるという作業が重要です。
 いっぽう,説明文は,何がどのように述べられているのかという読み方をしっかり身に付けさせる必要があります。話題提示の文,問いの文,答えの文など論の展開をしっかりと整理してつかんでおき,それらを子どもたちにどのように気づかせるかという手立てを考えます。そのため,重要なところとそうでないところに軽重をつける文学のような教材研究はできません。「世の中で多く接するのは説明的な文章。それを一人でしっかり読み解ける力を付けてあげなければならない」という安田先生の言葉が印象的でした。
まとめ  
まとめ
 初めに参加者に出してもらった悩みの数々に対して,ここまでの話の中で回答やヒントを提示してきた安田先生。伝統的な言語文化の教材研究の仕方に触れた後,まとめの言葉として,参加者の前で次のように語って締めくくりました。
 「授業を本当にいいものにするのは,先生方の毎日の子どもたち一人一人に対する言葉かけです。フェイス・トゥ・フェイス,アイ・トゥ・アイで子どもたちを一生懸命に見ていくことで,きっと明日からの授業がよりよくなると思います。がんばっていただければ嬉しいです。」
【講師の先生のひとこと】
安田恭子先生  
安田恭子先生
 今年は輿水先生と事前に打ち合わせをし,私は「読むこと」と「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を担当。教材研究,音読,発言の促し方や整理のしかた等が話題になりました。先生方に「はしる しるしる」の実際の指導を考えて頂き,指導の基本である「教材との向き合い方」を学んでいただきました。