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 第5回大会のご報告

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ワークショップE/説明文の教材が変わってもこわくない
 教科書が新しくなると,これまで使っていたワークシートや発問等が使えなくなるから教材研究が大変……そう思っていらっしゃる先生方は多いのではないでしょうか。ワークショップEでは,光村図書 中学校国語の新しい説明文教材を使って,説明文の教材研究の方法や,具体的な指導案について学び合いました。

ワークショップの流れを紹介します。
授業を構想するにあたって〈講義@〉  
授業を構想するにあたって〈講義@〉
 ワークショップEは,〈講義〉と〈ワーク〉を積み重ねる構成で展開しました。まずは,和やかな雰囲気の中,黒尾先生の講義から始まります。
 ここでは,教材研究の下準備として,授業を構想するにあたっては,次のことを押さえるようお話がありました。
@学習指導要領の改訂の要点を押さえ,指導事項を確認する。
A1教材あたりの指導事項をできるだけ絞って年間計画を立てる(ねらいを明確にし,重点的な指導を行うことを心がける)。

1.教材を「声に出して」読む〈ワーク@〉  
1.教材を「声に出して」読む〈ワーク@〉
 下準備を確認したら,教材研究の具体的な方法へと話は進みます。教材研究の一環として,必ず音読を行うという黒尾先生。声に出して読むことで,教材への理解が深まるうえに,範読の練習にもなるからです。
 そこで,一つ目のワークとして,隣どうしでペアになり,1年の新しい説明文教材三つを,段落ごとに交代しながら,一斉に音読しました。また,次のワークを見据えて,ただ音読するのではなく,「自分ならこの教材でどんな授業をするか,考えながら音読すること」という課題も出されました。教室には,先生方の声が朗々と響きます。
《光村図書「国語1」新しい説明文教材》
  • ダイコンは大きな根
  • シカの「落ち穂拾い」
  • 流氷と私たちの暮らし

2.教材を「貫いて」読む〈講義A〉

教材を「貫いて」読む
※画面をクリックすると別ウインドウがひらきます。
 
2.教材を「貫いて」読む〈講義A〉
 新しい教材に出会ったら,他の教材との関係の中で,その教材を捉えることも大切です。二つ目の講義では,黒尾先生から,教材研究の際,各領域・各分野の教材全体を「貫いて」読むことの重要性についてお話がありました。そのためには,教科書会社が発行しているパンフレットがヒントになると,具体的な資料のご紹介もありました。
 他にも,例えば次のような観点で1年の説明文教材を読み返してみると,どうでしょう。それぞれの教材の特徴が,より明確に浮かび上がってくるようです。
《教材を「貫いて」読むための観点の例》
  • 敬体←→常体
  • 図表の示し方〔文中の(図1)などの表示の有無〕
  • 小見出しの有無



3.教材を「単独で」読む〈ワークA〉

3.教材を「単独で」読む〈ワークA〉
 
3.教材を「単独で」読む〈ワークA〉
 三つの説明文を「貫いて」読み,それぞれの教材の特徴を明確にしたら,次は一つ一つの説明文を「単独で」読んでいきます。二つ目のワークでは,先ほど音読したペアで,三つの説明文の中から一つを選び,具体的な指導案についてアイデアを出し合いました。黒尾先生も,教室をまわりながら話し合いに参加されます。
 それぞれのペアで考えた指導案は,ワークショップの最後に全体で交流しました。
《指導案の例》
  • 「ダイコンは大きな根?」を敬体から常体に書き換える。
  • 「ダイコンは大きな根?」を参考にして,他の文章にタイトルを付ける。
  • 「シカの『落ち穂拾い』」のテキストだけを先に読み,適当な図表の配置を考える。
  • 「シカの『落ち穂拾い』」をレポートに書き換える。
  • 「シカの『落ち穂拾い』」のように,「流氷と私たちの暮らし」にも小見出しを付ける。
  • 「流氷と私たちの暮らし」を新聞記事風にまとめる。
 ワークショップEの,明日からでも使えるような具体的で実践的な内容に,参加者の先生方も大満足のご様子でした。
【講師の先生のひとこと】
黒尾敏先生  
黒尾敏先生
 参加された皆さんと一緒に,新しい教科書の新しい教材を読み,新しい授業の展開を考えることができました。教科書が新しくなることを,自分の授業を見直す「チャンス」ととらえることが大切だと感じた1コマでした。

[事務局より]
 黒尾先生は去る1月9日,急逝されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。