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 第5回大会のご報告

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講座T/「今さら人には聞けない国語の授業」入門講座
 この講座では,「よりよい学習指導案作成を目指して」と題して,学習指導案を作成する際に落としてはいけないポイントと,研究授業を見る観点についてお話しいただきました。豊富な事例をもとに,参加者どうしが交流しながら和気あいあいと進められました。

ワークショップの流れを紹介します。
学習指導案に他教科等との関連を  
学習指導案に他教科等との関連を
 「皆さんのなかで,学習指導案に他教科や学校行事等との関連を示している方はいらっしゃいますか。」
 国語科で培う「記録・報告・解説・推薦」などの言語活動は,多くの教科等の「説明したり,まとめたり,発表したりする」活動につながっています。学習指導案を作成する際にも,「できれば言語活動が年間指導計画のなかで,どの教科等とどうつながっているかを意識してほしい」と言う邑上先生が例として挙げたのは,6年生の社会科単元「明治の国づくりを進めた人々」。終末段階で,「明治について意見文を書く」という活動を位置づけた学習指導案です。国語科で学んだ意見文の書き方が,社会科で生きてはたらく力になるということを意識すると,国語科の役割がいっそうはっきりするという説明に参加者も納得の表情でした。
学習指導案に正解はあるか  
学習指導案に正解はあるか
 「皆さんは,学習指導案をどこから書き始めますか。」という問いかけの後,参加者どうしで意見を交換し合いました。すると,「児童の実態と付けたい力から」,「単元名から」,「指導計画を立ててから」など多様な意見が出ました。
 邑上先生は,「考え方によっていろいろな作り方があり,どれが正解ということはありません。しかし,これだけは落としてはいけないというポイントがあります。」と言い,学習指導案作成のポイントについて,具体例をもとに3つの柱と9つの項目に分けて詳しく説明されました。
学習指導案で落とせないポイントは  
学習指導案で落とせないポイントは
 なかでも参加者の先生方が深くうなずいたのは,
「“単元のゴールイメージ”をもとう」,
「“教材や言葉との出会わせ方”を工夫しよう」,
「指導計画から“指導事項”が抜けてしまいがちなので要注意」
といったお話でした。
 そのほか,東京都小学校国語教育研究会作文部による図解を用いた指導案にも驚きのため息が出ました。しかし,どの指導案にも共通しているのは,子どもの思いや活動を重視しているという点です。「児童の実態と教師の願い」こそが,最も落とせないポイントだということが改めて共有されました。
研究授業を漫然と見ていないか
※画面をクリックすると,別ウインドウが開きます。
 
研究授業を漫然と見ていないか
 最後に,研究授業を見る観点についての講義がありました。「私たちはつい,発問はどうだったか,板書がどうなっているか,などに目が向きがちだけれども,最も大事なのは子どもの活動がどうだったかということ」だと邑上先生は言います。
 邑上先生は,その子どもの活動を支えた教師の支援や指導のポイントを授業記録に残して協議会で参考にしたり,指導助言に活用したりされているとか。邑上先生のナマの授業記録は左の資料をご覧ください。このような授業記録を取ると,「子どもの活動」欄がほとんど空白で教師の「指導」の欄がびっしりになってしまう,ということもあるとか。そのような場合は,教師の発問・指示・説明ばかりで子どもの学習活動がない……ということも一目で分かってしまうそうです。

よりよい学習指導案作成をめざして
 参加者の先生方からは,学習指導案の書式に関する悩みも寄せられました。全国・全教科で定型書式があるわけではない学習指導案。大切なのは,授業をよりよいものにするために,落としてはいけないポイントをわかりやすくまとめること,その原点に立ち戻ることができた1時間でした。
【講師の先生のひとこと】
邑上裕子先生  
邑上裕子先生
 「子どもの実態と教師の願いから出発して,よりよい学習指導案を作成しましょう」という意図は皆さんに通じたようです。
 真剣に聞いたり語り合ったりしてくださいました。言語活動だけにとらわれず,それがどんな言葉の力につながるか,また,どの教科に通じるかを見通していく必要性を感じていただいたように思います。