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 第4回大会のご報告

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ワークショップE/説明文の授業に考えるしかけを仕組む
単調になりがちな説明文の授業も,教師のアイデア次第で一味違った展開を生み出すことができます。ワークショップEでは,教科書の教材に別のテキストをぶつけることで,説明文の授業をもっと「おもしろく」する工夫について考えていきました。

ワークショップの流れを紹介します。
「考えるしかけ」とは  
「考えるしかけ」とは
PISA調査や全国学力・学習状況調査にも見られるように,生徒の周りには多種多様なテキストがあふれています。教科書にはもちろんいくつかの説明文が載っていますが,そこに別のテキストをぶつけることで,読みを深めたり,考えを広げたりするのが「考えるしかけ」です。
「久しぶりの『授業』なので楽しんでやりたい。」という黒尾先生。音読リレーや交流などを取り入れた,授業スタイルのワークショップの始まりです。
関連資料を仕組む  
関連資料を仕組む
まずは,参加者の交流もかねて,さまざまなだまし絵に挑戦。最初の「考えるしかけ」は,これらのだまし絵を,教科書教材の「ちょっと立ち止まって」にぶつける実践です。
ワークシートを使って教材文の構成や表現を学んだら,次は,他のだまし絵を一つ選んでリライトを行います。「接続詞・文末表現・日常生活の例」といった条件を示してリライトさせることで,文章構成についての理解がより確かなものになります。
小学校の説明文を仕組む  
小学校の説明文を仕組む
次に,小学校の説明文(「ありの行列」)を,典型的な文章構成の例として中学校の説明文(「クジラたちの声」)にぶつける実践が紹介されました。段落分けの際には,ただ機械的に分けさせるのではなく,「構成」や「問いと答え」などのように,何のために分けるのかという観点をもたせることが重要です。小学校での既習事項を確認することで,それらの観点が明確になり,生徒のやる気もぐっと高まります。
一般書のテキストを仕組む  
一般書のテキストを仕組む
さらに,一般書のテキストを使って,教科書教材との構成の比較を行いました。教科書のような「整地の行き届いた」テキストに,あえて一般書のテキストをぶつけることで,さまざまな文章の工夫が見えてきます。
「考えるしかけ」のポイントは,学習の狙いにあわせて,いかにいいネタを見つけるか。そうやって授業を組み立てることで,生徒たちの課題もはっきりと見えてきます。
数学の文章題も立派な教材に  
数学の文章題も立派な教材に
(a) 「……代金の合計の10%はいくらですか。」
(b) 「……10%引きの代金はいくらですか。」
このような数学の文章題も,言葉の意味や問題の意図を考えさせることで,立派な国語の教材になります。他にも,独自に作成したテキストなどたくさんの「考えるしかけ」が紹介されました。
「教材の工夫や発問次第で,子供たちが自ら夢中に取り組むようになる。」と黒尾先生。まさに,国語教師の楽しさを再認識させてくれるようなワークショップでした。
【講師の先生から一言】
黒尾敏先生  
黒尾敏先生
大役を果たしたという安堵感よりも,久しぶりに授業をしたという喜びのほうがまさっている,というのが率直な感想です。ご参会いただいた先生方が,「考えるしかけ」を授業の中に仕組んでいくことの大切さを実感していただけたら幸せです。