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 第4回大会のご報告

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ワークショップD/「書き換え」学習で詩を読む・作る
現在,「書き換え」学習は,広く取り入れられています。しかし,「何かを書きたい」,このような子どもの心の成長に応じた求めに,真にこたえているでしょうか。ワークショップDは,主に詩の「書き換え」学習について,このような問題意識をもちつつ,前半は講義,後半はワークショップ形式で行われました。

ワークショップの流れを紹介します。
「書き換え」学習の意義  
「書き換え」学習の意義
「元となる作品Aを,自分の言葉で書き換えて,A′にする」,つまり,「書き換え」学習とは,自分の言葉によって,自己や世界への認識を改変していく活動である。冒頭で,藤原先生は,このように「書き換え」学習を意義づけされました。同時に,「書き換え」学習が,表層的なパロディに陥りがちであることもご指摘され,授業における読みの意図を考慮しない書き換えは,学習として疑問があると問題提起をされました。
穏やかながら,時に忌憚のない藤原先生の言葉に,ご参加の先生方は,うなずきつつ耳を傾けました。
「書き換え」学習での教師の役割  
「書き換え」学習での教師の役割
では,上述のような「書き換え」学習を実現するために,どのようなことが必要なのでしょうか。藤原先生は,教師が,元の作品も,書き換えられた作品も生きるような動機付けや課題の設定をきちんとすることが必要であると述べられました。その具体的な方法を,以下の作品を例にご提案してくださいました。
詩の「書き換え」学習の実践例  
詩の「書き換え」学習の実践例
・「たんぽぽ」(川崎洋)低学年
元の詩は「たんぽぽ」に,「たぽんぽ」「ぽぽんた」などとさまざまに呼びかける詩です。この詩は,音の楽しさ,そして対象に対する気持ちを意識して書き換えます。
・「奈々子に」(吉野弘)高学年・中学生
父親が幼い娘(奈々子)に対して語りかける詩です。この詩では,成長した奈々子の立場に立って,「父へ」という詩でこたえる,という書き換えを課題とされました。
そのほか,発達段階に応じて,「音」(まど・みちお),「待ちぼうけ」(北原白秋),「愛について」(殿岡辰雄)などの書き換えの実践例をご提案してくださいました。
「書き換え」学習に取り組む  
「書き換え」学習に取り組む
いよいよワークショップです。ご参加の先生方に,実践例で挙げられた詩と課題例に実際に取り組んでいただきました。まず,各自が好きな詩を選び,書き換えに取り組みました。短い時間にもかかわらず,多くの先生方が作品を完成させ,なかには複数の作品を書き上げる先生もいらっしゃいました。
グループごとの話し合い  
グループごとの話し合い
それぞれが作品を書き上げた後,選んだ詩によって三つのグループに分かれました。まず,グループ内で,作品を回し読みし,感想を述べ合いました。また,授業にどう生かすか,留意点などについても話し合いました。時間が迫る中,各グループの議論が白熱しました。
 

 
「書き換え」作品の発表
最後に,各グループから代表者1,2名を選び,全体発表をとの指示が出されました。しかし,始まってみると,1,2名では収まらず,次々に作品が読み上げられました。聞いているばかりでなく自分も発表したい,そんな空気が自然に生まれたことが印象的でした。
【講師の先生から一言】
藤原悦子先生  
藤原悦子先生
今年も全国から学生さんや小,中,大学の各先生方においでいただき,ありがとうございました。グループワークでは,首都圏全県の先生が集まった! と驚きの声があがりました。子どもの気持ちになって,「たんぽぽ」や「音」,「奈々子へ」などの詩を書き換える活動を体験していただきました。こんなところが書きやすい,こんなところでつまずくかもしれないと活発な話し合いをされ,詩の指導について考えるひとときになったなら幸いです。もっと気軽に詩に親しみ,詩集が身近にある国語の教室が増えることを願っています。