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 第4回大会のご報告

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ワークショップB/小学校のICT活用と古典
小学校で,古典をどのように扱えばよいか――それを考えるとき,デジタル教材は強い味方となります。提示型デジタル教材「わくわく古典教室」を活用した模擬授業と活用事例の紹介からイメージをつかみ,実際にデジタル教材に触れ,グループで話し合い,授業の中での生かし方について焦点を当てながら,小学校での古典の指導について考えました。

ワークショップの流れを紹介します。
デジタル教材の効用って?  
デジタル教材の効用って?
「電子黒板が,自分の学校に入っているという方,手を挙げてみていただけますか。」という中川先生の問いかけに,6割ほどの参加者の手が挙がりました。その後,デジタル教科書や電子黒板の普及に伴い,全国で数多く生み出されている,それらを用いた実践事例が中川先生から紹介されました。青山先生による,デジタル教科書と電子黒板を用いたデモンストレーションも織り交ぜつつ,デジタル教材や電子黒板の利点についての説明が展開されました。
模擬授業――「赤とんぼ」  
模擬授業――「赤とんぼ」
青山先生による,模擬授業です。まずは,平仮名で書かれた詩「赤とんぼ」の,漢字にできるところがないか考え,意味をはっきりさせます。「『赤とんぼ』がいつの季節に見られるのか,『桑の実』がどんなものなのかを知らない子どもたちがいる中,伝統的な言語文化に触れさせていかなければいけないのだ」という青山先生の言葉が印象的でした。意味の大体がつかめたら,「わくわく古典教室」の俳句の音声をヒントに,「赤とんぼ」の季節感や言葉のリズムに気づかせていきます。黒板と電子黒板を往復しながら,中学年を想定した,短歌・俳句と関連させた授業が展開されました。
授業デザインに応じて,組み合わせて使えます  
授業デザインに応じて,組み合わせて使えます
「わくわく古典教室」の,模擬授業に登場しなかった機能と,その活用例が紹介されました。中川先生が「こんな機能がありますよね。」と投げかけ,青山先生が活用場面を示すという,絶妙なやり取りの時間です。「平家物語」の琵琶法師による「語り」や「春暁」の中国語での音読などの映像・音声資料,「かくし紙機能」,「テキスト作成機能」,イメージを補うような画像など,機能や使い方の紹介が続きました。「実態に合わせて,これらの機能を自由に組み合わせて授業を作っていける」という青山先生の力強い言葉に,ふむふむとうなずく参加者の姿が見られました。
あの画面はどうやったら出せるの?  
あの画面はどうやったら出せるの?
いよいよ,グループごとに,「わくわく古典教室」を使った古典の指導場面を考える時間です。どんな機能や教材があるのか,実際に触って確かめてから,それがどのように古典の指導に生かせるか,活用場面をイメージしながら意見を出し合います。「あの画面はどうやったら出せるの?」「あの教材,おもしろそう!」と,ほかのグループの画面にも目をやりながら話し合う参加者もちらほら。積極的に意見交換や相談をするグループが目立ちました。講師の先生方は教室内を巡り,グループごとに,適宜,アドバイスをしていきます。時間のない中,それぞれに内容をまとめ,発表の時間に進みます。
ちょこっと使って,より豊かに  
ちょこっと使って,より豊かに
グループごとに,話し合って考えた指導場面を発表します。「わくわく古典教室」を実際に操作し,画面を見せながらの発表です。一つのグループの発表が終わるごとに,その前に発表したグループの代表者,中川先生,青山先生からのコメントが入り,てきぱきと進んでいきます。短歌に描かれた情景を表した写真を見せる,「かくし紙」で入る語を考えさせる,「かくし紙」で振り仮名を隠して読み方を考えさせるなど,ほんのちょっとした使い方のアイデアで,古典の授業がより充実するという提案がいくつも出されました。
思考に合わせて,ダイナミックな使い方を  
思考に合わせて,ダイナミックな使い方を
まとめに代えて,中川先生方からひと言と,青山先生から「お土産」の指導案配布がありました。「子どもの思考に合わせて提示するなど,自由な使い方ができることがこのデジタル教材のよさだと思っている。」と話す中川先生を,参加者の方は,期待に満ちたまなざしで見つめているようでした。限られた時間の中でしたが,「わくわく古典教室」に一人一人が触れ,言葉の力を身につけさせるため,グループ全員でその生かし方を考えるという,楽しく学び豊かなワークショップとなったことが,参加者の表情からうかがわれました。
【講師の先生から一言】
中川一史先生  
中川一史先生
最近,電子黒板やデジタルテレビがたくさん学校に導入されるという話をよく耳にします。本ワークショップを通して,古典の授業の強力なサポート役となりうるソフトウェア「わくわく古典教室」やICT機器の活用について,具体的なイメージもっていただくことができたのではないかと思います。実際に,授業での活用シーンをグループごとに発表していただきました。映像の提示のしかたを工夫したり,書き込み機能などを駆使したりした,「これならできそうだ」「やってみたい!」と思えるアイデアがどんどん出されました。参加者の皆様,ありがとうございました!
青山由紀先生  
青山由紀先生
参加者の方々が積極的に「わくわく古典教室」に触れて,授業での活用場面を考えてらっしゃったことがいちばん記憶に残っています。「デジタル教材を使い始めました」という先生方も増え,いっそう密度の濃い情報交換の場となりました。どんな言語文化に親しませ,どんな言葉の力を身につけさせるのか,そのためにデジタル教材をどう生かすのか,どのグループの発表も,すぐにでも実践したいものばかりでした。楽しく,刺激的な機会をいただき,ありがとうございました。