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 第4回大会のご報告

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要約する力をつける説明文の指導
全体を大きくつかむ,俯瞰する……。一見,高度に思える「要約」ですが,アプローチの仕方によっては,低学年から楽しく取り組むことができます。新学習指導要領改訂のポイントをふまえつつ,「聞く」「話す」「読む」それぞれの切り口から,楽しく「要約」の力を身につけるワークショップを行いました。

ワークショップの流れを紹介します。
[前提1]これまではどうだった?説明文の系統
※画面をクリックすると別ウインドウがひらきます。
 
[前提1]
これまではどうだった?説明文の系統
これまでの国語科では,説明文を通して,どのようなことを学習してきたのでしょうか。最初に,現在の小中学校で指導されている説明文の系統を確認します。
まず,3年で大きく「構成」をつかみます。4年では,接続語に着目して構成をより詳しく読み取り,5年で「要旨」,6年で「要約」を学習します。従来は,丁寧な段階を踏んで「要約」に至っていたことがわかります。では,新学習指導要領では,どうなるのでしょうか。
[前提2]今後はどうなる?新学習指導要領を受けて  
[前提2]
今後はどうなる?新学習指導要領を受けて
新学習指導要領では,ズバリ,低学年から「要約」に近い活動が入ってきます。「大体をつかむ」「文脈を把握する」「構成を考える」といった活動です。また,「要約」というと,文章の要約のイメージがありますが,今回は「読むこと」以外の領域にも入っています。
文章の要約でない「要約」とは,いったい何でしょうか。また,そもそも低学年で「要約」のように高度な活動ができるのでしょうか。
塩谷先生の笑顔が弾けます。「さあ,ワークをはじめましょう!」
[ワーク1]聞いて要約!三つの文で読書紹介  
[ワーク1]
聞いて要約!三つの文で読書紹介
最初は,読み聞かせてもらったお話を,三つの文で紹介するワークです。今日は,それぞれ知っている物語で挑戦します。
「1.主人公は〜です。」 「2.〜は〜な性格です。」「3.〜が〜したお話です。」
お見事!端的に表せました。「これが,『聞くこと』の要約なんですね。」 参加の先生方も,納得の笑顔です。
塩谷先生のご助言によると,初めて要約に挑戦する子供には,説明文より物語が向いているそうです。文を切ること,「主人公(主語)」と「キャラクター」という要点を押さえることがポイントです。
[ワーク2]話すための要約!3文スピーチ  
[ワーク2]
話すための要約!3文スピーチ
次は,話の構成を考えるワークです。「お題」について3文スピーチ。「お題」サイコロの出番です。「お題が決まったら,まず一言で答えます。周りはすかさず質問攻めにしてください。」 一瞬首をひねった先生方も,たちまち質問と笑いの渦に巻き込まれていきます。質問に答えるうちに,自然と話題の種が集まるのです。
話すことが決まったら,「公の言葉」で話すための構成をします。
1文目は話の大枠,2文目は内容,3文目にまとめや感想。初めに大枠を示すことで,聞き手も安心して聞くことができます。
[ワーク3]読んで要約!百科事典を要約しよう  
[ワーク3]
読んで要約!百科事典を要約しよう
最後は百科事典の要約です。物事の「要=大切なところ」を「約=まとめる」のが「要約」ですが,記述のコンパクトな百科事典は,低・中学年の活動にぴったりです。
「さて,皆さん」塩谷先生が笑います。「パンが四角くてもハンバーガーでしょうか?」「生物の定義は?」該当項目のコピーが配布されると,どよめきが。「1行目を見てください。」百科事典は,1行目に定義があります。だから,1行目は必ず書き,後は必要に応じて取捨選択。この要約を覚えておくと,調べ学習にも役立ちます。
[まとめ]授業への活用を考えよう  
[まとめ]
授業への活用を考えよう
本日のワーク,「体験的に大体をつかむ」ことは,授業の中でどのように活用できるでしょうか。
新学習指導要領は,読書と読解の両輪で読む力を育てようとしています。読書には,まさにこの「大体をつかむ」力が必要です。また,全体の構成を考え,大枠から伝えることは,公的言語の基本として,レポートやプレゼンテーションにも活用できます。
最後に,感想をシェアしました。「明日からの授業のイメージがわいた。」「大枠から伝えることの大切さを伝えたい。」明るい笑顔,あたたかい拍手に包まれながら,ワークショップは終了しました。
【講師の先生から一言】
塩谷京子先生  
塩谷京子先生
今回のワークショップでは,小学校6年生の説明文で学習する要約ではなく,それ以前に習得させたい「大体をつかむ」「構成を考える」「自分に必要なことを要約する」手法を取り上げました。そこでは,明日の教室で取り組める事例をグループで共有しながらワークショップを進めることを心がけました。皆さんの楽しそうな笑い声から,私も元気をたくさんいただきました。ありがとうございました。