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 第4回大会のご報告

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講座V/どうせなら面白く教えたい「国語の特質」
講座Vでは,音声言語(音読)や語彙の指導を中心に取り上げ,「国語の特質」の学習を,「読むこと」をはじめとする各領域の学びに生かす方法について,ワークショップ形式で考えました。
国語の力の3つの要素!  
国語の力の3つの要素
まず初めに,森山先生から「国語の力とは」といった大きなテーマでのお話がありました。
国語の力は,@「基盤的言語力」A「文脈的言語力」B「主体的関与」の3つの要素に分けて考えることができます。@は,音声・語彙・文字・文法など言葉の基盤となる力。Aは,情報を関連づけ,整理・編集し,文脈の中での意味をとらえる力。そしてBは,@とAをおさえた上で,その言葉や内容について主体的に関わる(=考えたり,評価したりする)力です。講座Vで取り上げる「音声」や「語彙」は,「基盤的言語力」に含まれます。
早口言葉で授業開き  
早口言葉で授業開き
ここで,先生方に4人一組のグループを作っていただき,アイスブレーキングが行われました。「隣の客はよく柿食う客だ,青巻紙赤巻紙黄巻紙,竹垣に竹立てかけたけど竹立てかけたかったから竹立てかけた……。」
森山先生から,いくつかの早口言葉が紹介されます。ワークの内容は,いちばん難しい早口言葉がどれか,各グループで話し合い,一つに決めてもらうというものでした。「早口言葉は,授業開きの時など,声を出しやすい環境を作り出すのにいいんですよ。」という森山先生の言葉通り,このワークを通して,まだ始まったばかりで少し硬かった教室の雰囲気が,ぐっとやわらいだようです。
生徒が話し合いたくなるような「しかけ」を
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生徒が話し合いたくなるような「しかけ」を
「読むこと」の授業は,一人一人が自分の考えをもつ(ひとり学び)→その考えを学級で交流する(みんな学び)→交流の成果を自分自身に戻して,考えを深め,高める(ひとり学び)という3つの過程から組み立てられます(左図)。この構造が効果的に働くには,生徒が話し合いたくなるような,思わず考え込んでしまうような「しかけ」を作ることが大切です。この「しかけ」として,従来の心情読解型の問いかけばかりでなく,国語教師だからこそできるような,「国語の特質」についての問いかけもあってよいのではないか,と達富先生からお話がありました。
SLIP3で読みを深める  
SLIP3で読みを深める
いよいよここからは,「国語の特質」について「何を」「どう」教えるか,具体的な内容に入っていきます。
SLIP3とは,音声言語の要素である,速さ・大きさ・強調・間・声色のこと。これらをどうして読むかによって,相手に伝わる意味や印象は異なります。つまり,読解などの授業で,SLIP3をどのようにして音読するのがもっとも適切かと考えることで,読みを確かめたり,深めたりすることができるのです。森山先生は,実際の教科書教材なども使い,音読をとおして読みを深めるためのポイントを具体的に紹介してくださいました。ワークもたくさん行われ,教室はおおいに盛り上がりました。
理解と表現は一致しない  
理解と表現は一致しない
続いて達富先生からは,生徒の音読の実態や指導方法についてのお話がありました。
「お母ちゃんとお兄ちゃんは,きっと帰ってくるよ。」(「ちいちゃんのかげおくり」より)
2人の生徒の音読を聞くと,「よ。」の部分の読み方が随分違います。語尾を上げ,軽やかに読む生徒と,語尾を下げ,自分に言い聞かせるように読む生徒。この場合,前者よりも後者のほうが,辛い状況にある登場人物の心情をしっかりつかんでいると言えるでしょうか?……そうとは限らない,と達富先生はおっしゃいます。内容の理解がしっかりできていても,音読でそれを豊かに表現できるとは限らないし,もちろん,表現できない生徒が何も考えていないというわけでもありません。表現と理解は別物であることを念頭に置いて指導することが大切,との達富先生のお話に,ご参加の先生方は深く頷きながら聞き入っていらっしゃいました。
言葉の学びを広げていこう  
言葉の学びを広げていこう
語彙指導についてもお2人から少しずつお話をいただき,最後は,「国語の基礎である言葉をおさえ,学びに活かしていきましょう。」という森山先生の言葉で,講座Vは締めくくられました。「国語の特質」について,「何を」「どう」教えればよいか,具体的に学ぶことができた120分間。その充実した内容に,お二人の先生には盛大な拍手が贈られました。
【講師の先生から一言】
森山卓郎先生  
森山卓郎先生
今回は「音読」を中心に,「語彙」にも触れて,「国語の特質」について,ほかの領域にいかに活かすかを考えてみました。森山は主に原理的なことと教材研究的なことを中心に取り上げました。皆様の楽しく積極的な参加に「感謝!」です。
達富洋二先生  
達富洋二先生
子どもたちを「言葉の授業」に浸らせるしかけの一つとして,「音読」と「語彙」を手がかりにすることを紹介しました。達富は主に授業論的なことと指導法的なことを中心に取り上げました。「学ぶ・楽しむ・元気になる」時間を共有できたことに「感激!」です。