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 第3回大会のご報告

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講座U/初歩からの新学習指導要領中学校「国語」
新学習指導要領では,国語科を超えての「言語活動の充実」が示されています。他教科においても言語活動の充実が求められる中で,中学校国語科としては,どのような取り組みを進めていけばよいのでしょうか。 講座IIでは,高木先生をコーディネーターに,新学習指導要領の作成にかかわられた佐藤先生,中島先生のお二人にお話しいただき,新学習指導要領をどのように日々の指導に結び付けていけばよいのかを考えていきました。
まずは改訂のポイントから  
まずは改訂のポイントから
新学習指導要領では,各領域で学習のプロセスが明確に示されました。とはいえ,必ず全てのプロセスを指導するのではなく,ある指導事項を重点的に扱うなど,指導に応じた工夫が必要です。
学年ごとの「内容」に位置づけられた言語活動例では,他教科での言語活動も念頭に置いた,国語科ならではの指導を行うことが求められます。また,今回の改訂では,生活への視点も重視されました。1年の「日常生活」と2.3年の「社会生活」では,課題の探し方も異なります。
「言語活動の充実」のためには,このようなポイントをしっかりと整理しておく必要がありそうです。
日常的な取り組みが大切  
日常的な取り組みが大切
佐藤先生からは,「話すこと・聞くこと」と「書くこと」を中心に,新学習指導要領のポイントをご解説いただきました。
今回の改訂では,「聞くこと」の指導の明確化が示されています。生徒は双方向的な話し合いがなかなかできないものですが,「意識して聞く」力を高めるためには,学校行事の話し合いなど,さまざまな場面を活用した指導の工夫が必要です。
また,「話すこと・聞くこと」「書くこと」ともに,「取材」というプロセスも重要なポイントです。「情報キャッチメモ」や「題材一覧表」など,日常的な取り組みを工夫することで,生徒の力も高まります。
主体的な「読むこと」  
主体的な「読むこと」
中島先生からは,「読むこと」と「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を中心にご解説いただきました。
指導事項にある「自分の考えの形成」とは,どのようなことを示しているのでしょうか。単なる印象や感想で終わらせないためには,表現や構成をもとにして,分析的に考えさせることが必要です。明確な「根拠」があってこそ,しっかりとした「自分の考え」につながります。新聞や読書についての充実とともに,「読むこと」には,これまで以上の主体性が求められます。
伝統的な言語文化や言葉の特徴についても,事項に位置付けられ,より具体的な指導が求められます。古典では,(ア)は原文を対象として指導する事項,(イ)は現代語訳なども活用して指導する事項と考えると,具体的な指導のイメージにつながります。
学習指導要領から授業を作る  
学習指導要領から授業を作る
指導者として,常に生徒の身の回りの言語活動に目を向けさせることが必要,と佐藤先生。さまざまな場面を活用して,教師が「学習指導要領から授業を作る」ことが求められます。
新学習指導要領は授業作りに役立つことを意識して作成されており,特に,三年間での系統性は大きなポイントです。中島先生からは,具体的な指導のイメージをもつために,系統表を「横に読む」ことを試してほしい,との提案がありました。
会場には,新しい情報を地域に広めたいという熱心なベテラン先生の姿も。また,「中学校までを視野に入れて系統性を考えたい。」という小学校の先生からの質問もあり,質疑応答でも活発な議論が展開されました。
「だいたい」も学力  
「だいたい」も学力
質疑応答に続いて佐藤先生から,指導事項を明確にした言語活動の展開について,実践例をもとにしたお話をいただきました。中島先生からは,年間指導計画や学習指導案の作成を例に,育成すべき言語能力を明らかにした「良い授業」についてお話しいただきました。
言語力の育成のためには,本や新聞を読むときのような「だいたい」の理解から深まる学力もあってよいのではないか,と高木先生。新教育課程の実施に向けて試行錯誤も続きますが,今回のように,多くの先生がじっくりと新学習指導要領と向き合い,着実に理解を広げることこそが,それぞれの教室での指導の充実につながっていくことでしょう。
【講師の先生から一言】
高木まさき先生  
高木まさき先生
講座IIに,想定を上回る参加申し込みをいただき,ありがたく存じます。中学校 でも,学習指導要領に対する注目度が高まってきていることを実感できました。 当日は,司会者の力量不足から,講師の先生方やご参加くださった先生方に十分 お話いただけなかったかもしれませんが,お寄せいただいたご質問やご意見等から大きな刺激をいただきました。心から,お礼申し上げます。
佐藤喜美子先生  
佐藤喜美子先生
講座IIでは,新学習指導要領の印象を,「指導事項が具体的になった!何をどうするかが見えやすくなってきた!」というふうに受け止めていただけたら幸いです。児童生徒のやる気と本気を揺さぶるような国語の学習の充実を目指して,指導者が授業づくりに実の場を構想しながら如何に工夫できるか!こう改めて感じています。
中島聖巳先生  
中島聖巳先生
新学習指導要領と具体的な授業作りとをどう結ぶか,ということについてお伝えしたつもりですが,いかがだったでしょうか。高木先生,佐藤先生,そして熱心にお聞きいただいた御参会の皆様,本当にありがとうございました。