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 第3回大会のご報告

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講座T/「今さら人には聞けない国語の授業」入門講座
この講座では,事前に参加の先生方の「ノート指導」に対する悩みを伺っています。「書きたがらない子」「学力差のある子」を前に,どうやってノート指導を行えばよいのか? そもそも「ノート指導」とは何なのか? 先生方の切実な問いに,椙田先生が答えてくださいました。
自分の考えを作る土壌=ノート  
自分の考えを作る土壌=ノート
「ノート指導は,板書を写させることだと思っていませんか。ノート指導は,子どもたちに自分の考えをもたせるためのものです。」杉田先生の揺るぎない確信に満ちた言葉でした。「子どもたちが言葉と出会ったとき,なんだか分からない『もやもやっとしたもの』が生まれてきます。その『もやもやっとしたもの』に立ち向かっているとき,子どもたちは,迷っているし,悩んでいます。それが,思考しているということです。その悩みをノートに書き出すことが,自分の考えを作ることにつながります。自分の考えをどうすれば書けるようになるのかを導くことがノート指導です。そして,自分の考えをもつことができる子どもを育てるのがノート指導の目的です。」
多様な問いで思考を促す  
多様な問いで思考を促す
椙田先生のノート作りは,作品や文章の中の言葉や文を視写させ,その中の大事な言葉に立ち止まって,自分の考えを書かせていくというものです。そのとき,どのように考えればよいのかが分かるような,「思考が動き出す問い」をいくつか与え,その答えをノートに書かせていきます。
  • この言葉(文)から,こんなことに気がつきました。
  • この言葉(文)から,こんなことを感じます。
  • この言葉(文)から,こんなことを考えました。
  • この言葉(文)から,こんなことを思いました。
  • この言葉(文)から,こんなことをふしぎに思います。
  • こんなことを,みんなに聞きたいです。
先生方は,真剣な目でメモを取られていました。
ノート作りの約束 ※画面をクリックすると,別ウインドウが開きます。  
ノート作りの約束
椙田先生は,1年生から6年生まで,同じノートの作り方をさせています。ノート作りの約束はどの学年でも同じです。赤鉛筆で四角く囲った中に日付と単元名を書くこと,◎を書いてその日の学習の目標を書くこと,[ ]で囲んで本文を視写すること・・・。約束事は,とてもシンプルで,5つ程度のものです。先生が見せてくださったノートには,約束にしたがって,子どもたちの考えがぎっしりつづられていました。

自分だけのノートではない  
自分だけのノートではない
ここまでの話の中で,ノートは自分の考えを書くものという印象が強く残りました。しかし,椙田先生のノート作りには,まだ秘密がありました。「ノートを自分だけの考えを書くものとしなくてもよいのです。友達に,直接,自分の考えに対する感想を書いてもらうこともさせています。『自分は〜と思っていたけど,Aさんの〜という考えがいいと思った。』などと友達に認められることは,とてもうれしいものです。やる気が出てきます。ノートを通してコミュニケーションも生まれます。」
椙田先生のノート作りは,ひたすらに子どもたちの考えを書かせるものでした。大事な言葉や文を抜き出し,その言葉に立ち止まって,自分の考えをもつ。「どうしてだろう」「なぜだろう」という問いに,「自分は〜と思う」とノートに書いて答えていく。とてもシンプルなノート作りです。しかしそこには,椙田先生の強い信念とさまざまな工夫,深い思いやりが感じられました。
【講師の先生から一言】
椙田萬理子先生  
椙田萬理子先生
大勢の先生方が,質問用紙にたずねたい内容を細やかに書いてくださったので感激いたしました。ノート指導では,子どもたちが迷いながら思考しているプロセスを綴れるようにしたいですね。そのための「自己内対話」です。また,教師の発問によって,考えることが好きになる子どもをつくりたいですね。