line decor

 第2回大会のご報告

line decor

基調講演/背景から見た新学習指導要領「国語」〜「リテラシー」獲得のためのリテラシー〜
今回の学習指導要領改訂の背景には、21世紀を「知識基盤社会」とする認識があります。このように、知識のグローバル化が進み、激しい競争と絶え間ない技術革新が生まれる社会では、生涯にわたる学習が求められるでしょう。
基調講演では、今日求められている「知識基盤社会」を生き抜くための力を“「リテラシー」獲得のためのリテラシー”ととらえ、その意味するところについて考えてまいります。
新学習指導要領の背景〜「知識基盤社会」が求めるもの  
新学習指導要領の背景〜「知識基盤社会」が求めるもの
中央教育審議会答申(2008)では、21世紀は、激しい競争と生涯学習を続けることが求められている「知識基盤社会」であるといわれています。こうした社会では、現行学習指導要領でも踏襲されている「生きる力」や「キーコンピテンシー」が必要となります。広義の「リテラシー」という語を使うならば、いかに社会が変化しようとも、その変化に対応していける力を「知識基盤社会を生き抜くためのリテラシー」ということができるでしょう。ここでは、その「リテラシー」を獲得するためのリテラシーについてお話ししていきたいと思います。
近代日本で求められたリテラシー
〜国家、理念、資本、学力、メディア  
近代日本で求められたリテラシー
〜国家、理念、資本、学力、メディア
日本の近代教育において求められた力を次のように説明してみます。

○ 「国民国家」形成のためのリテラシー
(明治期に求められた/明治維新1868〜1945年)

○ 「民主主義社会」構築のためのリテラシー
(昭和戦後期に求められた/1945〜1970年代)

○ 「知識基盤社会」を生き抜くためのリテラシー
(今日求められている/1980年代〜)

「国民国家…」や「民主主義…」は、目標や価値観が見えやすいものでしたが、「知識基盤社会…リテラシー」は、目指す社会像が見えない時代のリテラシーであり、私たちが作っていくものでもあります。
「知識基盤社会」を生き抜くためのリテラシーとは〜平成20年版学習指導要領へ  
「知識基盤社会」を生き抜くための
リテラシーとは〜平成20年版学習指導要領へ
臨時教育審議会(1983〜87)において提示された「創造力、考える力、表現力、生涯学習、国際化、情報化、変化への対応」などは、すべて今日の中教審でうたわれていることです。形として整ったのは平成10年版学習指導要領であろうと思いますが、臨教審の時代から、文化審議会答申(2004)、全国学力・学習状況調査(2007)、中教審答申、新学習指導要領告示(2008)を経て、今日求められている「リテラシー」に、一直線につながってきているといってよいのではないでしょうか。
「リテラシー」獲得のためのリテラシー〜学習指導要領「国語」への具体化  
「リテラシー」獲得のためのリテラシー
  〜学習指導要領「国語」への具体化
最初に述べたように、社会はどのように変化するかわからないわけですが、いかなる社会状況でも応用のきくリテラシーを身につけてほしいと思います。学校教育でいうなら、獲得したリテラシーを基に、自分で新しいリテラシーを獲得していける力をつけていってもらいたい。そのためには、新学習指導要領でいうところの生涯学習、自己学習力、情報活用力が徹底的に大きな役割を果たすことになるでしょう。子供たちがトータルな力をつけていくことが求められており、あるいは、そういう力をつけていけるように子供たちに学びを作っていくことが求められていると思います。
言葉でつなぐ力、言葉に立ち止まる力〜リテラシーをどう使うか
 
言葉でつなぐ力、言葉に立ち止まる力
  〜リテラシーをどう使うか
リテラシーを獲得したことで、社会の中でどううまく立ち回っていくか、という現実追随、価値追随の思考だけが身についてしまう危険性もあります。そうならないように、私たちは、新しい価値や社会を創っていくのだという視点を子供たちがもてるような教育を行わなければなりません。新学習指導要領には、評価的な読み、学習の振り返り、合意形成のための話し合いなど、今までになかった項目が盛り込まれており、今後の方向を見据えた新しい時代への出発のための学習指導要領といえるかもしれません。
「リテラシー」獲得のためのリテラシーは、次の時代を創っていく価値創造型の思考=共生・変革・創造のための武器となるものです。そして、このリテラシーを使っていくことを教室で具体化することが、今回の学習指導要領の目指すところでもあります。私たちは、そのことを踏まえ、授業を作っていったり、共に学び合ったりしていきたいと思います。いかに子供たちに未来を創る力をつけていくか。それが、今、私たちに求められていることなのです。