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 第2回大会のご報告

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講座T/新学習指導要領を詳解する
講座Tでは,新学習指導要領の作成にあたられた尾崎先生・田中先生に,学習指導要領改訂のポイントや,国語科と他教科との関連などについて,お話をいただきました。甲斐先生の柔らかくも的確なナビゲートにより,作成時の思いや印象的なエピソードまで発掘され,おもしろくてためになる,充実した講義となりました。
新学習指導要領改訂のポイント
新学習指導要領改訂のポイント
 
新学習指導要領改訂のポイント
 新学習指導要領に至る流れと,改訂にあたり話題となった事柄についてお話をいただきました。

 尾崎先生は文化審・中教審など先行する議論の中から,特に「三領域の言語活動を有機的に組み合わせた指導」の大切さを説かれました。その上で「言語能力」と「言語(表現)様式」を軸に,この理念を実現した年間指導計画の実践例をご紹介いただきました。

 田中先生からは,「母語話者に母語を教える国語は元来教える内容が不明確」という明快な分析から,特に@到達目標の明確化を意識し,さらに世の中の動きを踏まえAPISA型読解力の育成とB小・中関連を重視したというお話をうかがいました。
国語科の配当時数について  
国語科の配当時数について
 「国語が大事」という割に,配当時数はあまり増えなかった印象があります。小学校は低学年中心・中学校は第2学年だけと増え方にも濃淡があります。また領域では「読むこと」の時数が少ないように思えます。こうした疑問を切り口に,配当時数を巡る教科間の攻防について,興味深いお話をうかがいました。

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他教科との関連の考え方
他教科との関連の考え方
 
他教科との関連の考え方
 年間指導計画の作成にあたり,他教科と国語科との連携をどのように図るかという点について,ご提案をいただきました。
 尾崎先生は,他教科で扱う言語活動(形式)・思考力の育成・語彙指導に着目した連携の図り方を,算数・理科・道徳などを例にご教示くださいました。
 田中先生は,「基幹教科としての国語」の観点から,他教科で学ぶ言語活動を国語科で先駆けて習得することの必要性を指摘されました。また,教科で「習得・活用」した力を使って総合的な学習の時間に「探究」するという言語活動の棲み分けについても教えていただきました。

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新しいメディアと伝統的な言語文化  
新しいメディアと伝統的な言語文化
 新しいメディアや伝統的な言語文化が,新学習指導要領でどのように取り上げられ,何を期待されているのか,お話しいただきました。
 お二人のお話に共通していたのは,「古典の楽しさ」を今よりももっと伝えていきたいということでした。
最後に  
最後に
 最後に甲斐先生から,次のようなコメントをいただきました。「子ども側に立つことに徹した学習指導要領だと思います。実現は容易ではないですが,実現への道はしっかりとお示しいただきました。」
 尾崎先生・田中先生のお話をうかがったことで,学習指導要領の本質に少し近づけたような気がします。授業に生かせる具体的な切り口もたくさんいただきました。あとは実践あるのみです。
【講師の先生から一言】
[講師]尾崎 靖二 先生  
[講師]尾崎 靖二 先生
複雑な経緯と背景を十分解説できなかったのですが,司会の甲斐先生の見事なまとめに助けられ雰囲気は伝えられたものと思っています。参加の皆様の真摯な姿勢にも大いに勇気付けられました。学習指導要領からそれぞれの先生方なりの授業を紡ぎ出していただきたく期待しています。
[講師]田中 洋一 先生  
[講師]田中 洋一 先生
学習指導要領は日本の学校教育の方向性を定める大切なものですが,国語科に関する本文は中学校でたかだか11ページです。これではなかなか基本的な考え方や背景の事情はご理解いただけません。そういう意味で,今回はとてもよい機会でした。私自身も勉強になりました。尾崎先生,甲斐先生,それからご参加の先生方,ありがとうございました。
[司会]甲斐 雄一郎 先生  
[司会]甲斐 雄一郎 先生
学習指導要領本文や解説書に記された指導事項や数字群には,どことなくよそよそしい印象を禁じえないかもしれませんが,その背後に漲る,作成にあたった方々の思いや願いの一端をうかがうことができました。可能な限り率直にお話しくださったお二人の先生にお礼申し上げます。